新法令・通達

新法令・通達の解説

(平成31年3月4日までの発表・公布・施行分)
過労死等事案の的確な労災認定のため労働時間の的確な把握等を指示
平成31.2.19 労災発0219第1号=労災補償業務の運営に当たって留意すべき事項について

労災補償行政を巡る状況をみると、過労死等に係る労災請求件数は2,500 件以上に上り(脳・心臓疾患に関する事案および精神障害に関する事案等の合計)、過労死等が社会問題となっています。
長時間労働の是正を大きな柱とする「働き方改革」が推進されるなか、過労死等の発生を防止するための取組強化に対する社会的要請は強まっています。
そうした背景をもとに、労災補償行政において、過労死等の労災補償請求事案に対する、より適切かつ効率的な対応を実現するため、厚生労働省大臣官房審議官(労災、建設・自動車運送分野担当)より、過労死事案等で労働時間の的確な把握等を指示する通達「労災補償業務の運営に当たって留意すべき事項について」が発出されました。
その主な内容は、次のとおりです。

■労働時間の的確な把握

労働者の労働時間の把握に当たって、使用者の指揮命令下にあることが認められる時間を的確に把握すること。
そのためには、タイムカード、事業場への入退場記録、パソコンの使用時間の記録等の客観的な資料を可能な限り収集するとともに、上司・同僚等事業場関係者からの聴取等を踏まえて事実関係を整理・確認し、始業・終業時刻および休憩時間を詳細に特定したうえで、当該労働者が実際に労働していると合理的に認められる時間を的確に把握すること。
その際、事業場において休憩時間とされている時間であっても、黙示を含む使用者の指揮命令に基づき労働者が業務に従事している、または手待時間と同様の実態が認められるなど労働からの解放が保障されていない場合には、労働時間として算入すべきことに留意すること。

■高度プロフェッショナル制への対応

ことし4月から始まる高度プロフェッショナル制が適用される労働者については、健康管理時間を把握することが事業主に義務づけられていることから、労働時間の特定に当たっては、健康管理時間の記録も参考とすること。

■精神障害事案への対応

精神障害事案において、特に、請求人が嫌がらせ、いじめを主張する事案については、関係者が相反する主張をする場合がある。このため、当事者の事業場内における役割、指揮命令系統を把握したうえで、できる限り客観的な第三者から聴取等を行ない、業務指導の範囲を逸脱した言動等の有無につき、確認を行なったうえで、嫌がらせ、いじめに該当するか否かの判断を行なうこと。

その他の新法令・通達

  • 危険ドラッグの成分4物質を指定薬物に
  • ことし2月18日の薬事・食品衛生審議会薬事分科会指定薬物部会での審議を受けて、危険ドラッグの成分4物質が新たに指定薬物に指定され、医療等の用途以外の目的での製造、輸入、販売、所持、使用等が禁止されることとなりました。
  • (平成31.2.19 厚生労働省令第16号=医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第15項に規定する指定薬物及び同法第76条の4に規定する医療等の用途を定める省令の一部を改正する省令)
  • 改正健康増進法の「特定施設」が定まる
  • 改正健康増進法において、多数の者が利用する施設のうち、受動喫煙により健康を損なうおそれが高い者が主として利用する施設として原則敷地内禁煙となる「特定施設」について、一定の学校や診療所、薬局、介護老人保健施設等が該当すること等が定められました。
  • (平成31.2.22 政令第27号=健康増進法施行令の一部を改正する政令ほか)
  • 青年等就農資金の貸付けの特例等の適用期間を延長
  • 東日本大震災により被害を受けた者に対する青年等就農資金の貸付けの特例等の適用期間が、2020年3月31日まで延長されることとなりました。
  • (平成31.3.1 政令第33号=農業経営基盤強化促進法施行令等の一部を改正する政令)

出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック