新法令・通達の解説
(平成25年10月3日までの公布分)
- 平成25年度の地域別最低賃金の改定
- 平成25年9月6日官庁報告・最低賃金の改正決定に関する公示ほか
使用者は、国が定めた最低賃金額以上の額を労働者に支払わなければなりません。
仮に最低賃金より低い賃金を労使双方の合意のうえで定めても、法律によって無効とされ、最低賃金と同様の定めをしたものとみなされます。
最低賃金には都道府県ごとに定められた「地域別最低賃金」と、特定の産業に従事する労働者を対象に定められた「特定(産業別)最低賃金」の2種類があります。このほど、平成25年度の地域別最低賃金が左表のとおり改定されました。
全国加重平均額は764円
全国の加重平均額は、764円と昨年度の749円から15円引き上げられました。平成22年度の17円増以来の大幅引上げとなります。最低賃金は、10月6日から順次改定されます。
平成25年度のポイント
最も高い最低賃金額は、東京都の869円。以下、神奈川県の868円、大阪府の819円と続きます。
最も低い最低賃金額は664円で、鳥取県、島根県、高知県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、沖縄県の9県でした。
引上げ幅が最も大きいのは愛知県の22円で、すべての都道府県で11円以上の引上げが行なわれました。
また、これまで最低賃金額が生活保護水準を下回っていた11都道府県のうち、北海道を除く10都府県で逆転が解消。全都道府県での逆転解消は、来年度以降に持ち越されました。
■平成25年度地域別最低賃金改定状況
(平成25年10月7日現在)
都道府県名 | 最低賃金時間額(円) | 発効月日 | |
---|---|---|---|
北海道 | 734 | (719) | 10月18日 |
青森 | 665 | (654) | 10月24日 |
岩手 | 665 | (653) | 10月27日 |
宮城 | 696 | (685) | 10月31日 |
秋田 | 665 | (654) | 10月26日 |
山形 | 665 | (654) | 10月24日 |
福島 | 675 | (664) | 10月6日 |
茨城 | 713 | (699) | 10月20日 |
栃木 | 718 | (705) | 10月19日 |
群馬 | 707 | (696) | 10月13日 |
埼玉 | 785 | (771) | 10月20日 |
千葉 | 777 | (756) | 10月18日 |
東京 | 869 | (850) | 10月19日 |
神奈川 | 868 | (849) | 10月20日 |
新潟 | 701 | (689) | 10月26日 |
富山 | 712 | (700) | 10月6日 |
石川 | 704 | (693) | 10月19日 |
福井 | 701 | (690) | 10月13日 |
山梨 | 706 | (695) | 10月18日 |
長野 | 713 | (700) | 10月19日 |
岐阜 | 724 | (713) | 10月19日 |
静岡 | 749 | (735) | 10月12日 |
愛知 | 780 | (758) | 10月26日 |
三重 | 737 | (724) | 10月19日 |
滋賀 | 730 | (716) | 10月25日 |
京都 | 773 | (759) | 10月24日 |
大阪 | 819 | (800) | 10月18日 |
兵庫 | 761 | (749) | 10月19日 |
奈良 | 710 | (699) | 10月20日 |
和歌山 | 701 | (690) | 10月19日 |
鳥取 | 664 | (653) | 10月25日 |
島根 | 664 | (652) | 11月6日 |
岡山 | 703 | (691) | 10月30日 |
広島 | 733 | (719) | 10月24日 |
山口 | 701 | (690) | 10月10日 |
徳島 | 666 | (654) | 10月30日 |
香川 | 686 | (674) | 10月24日 |
愛媛 | 666 | (654) | 10月31日 |
高知 | 664 | (652) | 10月26日 |
福岡 | 712 | (701) | 10月18日 |
佐賀 | 664 | (653) | 10月26日 |
長崎 | 664 | (653) | 10月20日 |
熊本 | 664 | (653) | 10月30日 |
大分 | 664 | (653) | 10月20日 |
宮崎 | 664 | (653) | 11月2日 |
鹿児島 | 665 | (654) | 10月27日 |
沖縄 | 664 | (653) | 10月26日 |
全国加重平均額=764(749)円 |
*カッコ書きは平成24年度地域別最低賃金
その他の新法令・通達
- 脱退一時金の請求手続きを変更
- 確定拠出年金における脱退一時金の請求手続きが一部変更されました。平成26年1月1日から施行されます。
- (平成25.9.9厚生労働省令第99号=確定拠出年金法施行規則の一部を改正する省令)
- 消費税転嫁対策特別措置法施行令を整備
- 消費税転嫁対策特別措置法の規定に基づき、中小企業の範囲、共同行為ができる組合、権限の委任等について定められました。平成25年10月1日から施行されています。
- (平成25.9.13政令第269号=消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法施行令)
- 株式会社海外需要開拓支援機構法の施行期日が決まる
- 株式会社海外需要開拓支援機構法の施行日は、平成25年9月18日に決まりました。
- (平成25.9.13政令第272号=株式会社海外需要開拓支援機構法の施行期日を定める政令)
- 社会保険の届出方法等を一部改正
- 健康保険の被扶養者および国民年金の第3号被保険者に関する届出の一部について、届書の記載事項を記録したCD、DVD等(光ディスク)の送付による方法が可能とされました。平成25年10月1日から施行されています。
- (平成25.10.1厚生労働省令第118号=健康保険法施行規則及び国民年金法施行規則の一部を改正する省令)
出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック