新法令・通達

新法令・通達の解説

(平成22年9月1日までの公布分)

男女間の賃金格差解消のためのガイドライン
平成22年8月31日、厚生労働省「男女間賃金格差解消に向けた労使の取組支援のためのガイドライン」を発表、ほか

8月31日、厚生労働省より、「男女間賃金格差解消に向けた労使の取組支援のためのガイドライン」が公表されました。
男女雇用機会均等法などの法整備が進み、企業でも女性の活躍の場が広がっていますが、男女間の賃金格差は先進諸国と比べると依然、大きいものがあります。
今回、公表されたガイドラインは、賃金や雇用管理のあり方を見直すための視点や社員の活躍を促すための実態調査票といった支援ツールを盛り込んでい ます。現実的な対応策を示すことで、労使による自主的な見直しを支援する方針です。
ガイドラインの主なポイントは、以下のとおりです。

男女間格差の「見える化」を推進
男女での取扱いや賃金の差異が企業にあっても、それが見えていない場合もあると考えられます。
男女間格差の実態把握を行ない、その解消に向けた取組みが必要との認識を促すため、実態調査票などの支援ツールを盛り込みました。

賃金・雇用管理の見直しのための3つの視点
(1)賃金・雇用管理の制度面の見直し
・賃金表の整備
・賃金決定、昇給・昇格の基準の公正性、明確性、透明性の確保
・どのような属性の労働者にも不公平の生じないような生活手当の見直し
・人事評価基準の公正性、明確性、透明性の確保、評価結果のフィードバック ・出産・育児がハンデにならない評価制度の検討

(2)賃金・雇用管理の運用面の見直し
・配置や職務の難易度、能力開発機会の与え方、男女で異なる評価をしていないかを現場レベルでチェック
・コース別雇用管理の設定が合理的かどうかを精査
・コースごとの採用や配置は、先入観やこれまでの実績にとらわれず均等に実施

(3)ポジティブ・アクション(男女労働者の間に生じている事実上の格差の解消を目指して、女性の採用拡大・職域拡大・管理職登用の拡大等、個々の企業が進める自主的かつ積極的な取組み)の推進
・女性に対する社内訓練・研修を積極的に行なったり、基準を満たす労働者のうち女性を優先して配置、昇進させる等の取組みの実施

なお、このガイドラインに関しては、厚生労働省のホームページ上で支援ツール等を公開するほか、パンフレットが各都道府県労働局雇用均等室などで配布されます。

その他の新法令・通達

◎ 類似業種比準価額計算上の業種目と業種目別株価等の改正
平成22年分の相続税・贈与税の申告のため、取引相場のない株式を類似業種比準方式により評価する場合の、1株当りの配当金額、利益金額、純資産価額、株価について定めています。
(平成22.8.2国税庁課評2-28 = 「平成22年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について)
◎ 介護予防事業の円滑な実施を図るための指針等の改正
介護保険法の規定に基づき、介護予防事業の円滑な実施を図るための指針等について所要の改正が行なわれました。8月6日から適用されます。
(平成22.8.6厚生労働省告示第三二四号 = 介護予防事業の円滑な実施を図るための指針及び介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針の一部を改正する件)
◎ 平成22年度税制改正に係る法人税質疑応答事例の公表
平成22年度税制改正に係る法人税質疑応答事例(グループ法人税制関係)のQ&Aが公表されました。
(平成22.8.10国税庁法人課税課情報第4号ほか = 平成22年度税制改正に係る法人税質疑応答事例〈グループ法人税制関係〉〈情報〉)
◎ 健康保険法施行規則と船員保険法施行規則の一部を改正
健康保険法と船員保険法の規定に基づき、それぞれの施行規則が改正になりました。8月31日から適用されます。
(平成22.8.31厚生労働省令第九八号 = 健康保険法施行規則及び船員保険法施行規則の一部を改正する省令)

出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック