■ ストックオプション訴訟について国側勝訴

 ストックオプションの権利行使による利益が、給与所得に当たるか、または税額が約半分になる一時所得に当たるかで争われていた訴訟で、最高裁判所(第三小法廷、藤田宙靖裁判長)は1月25日、給与所得に当たるとした東京高裁判決を支持し、納税者の上告を棄却した。これにより、国側の勝訴が確定した。

 判決によると、ストックオプション付与会社は、上告人がそのストックオプション付与会社の「職務を遂行しているからこそ、本件ストックオプション制度に基づき上告人との間で本件付与契約を締結して上告人に対して本件ストックオプションを付与した」のであり、権利行使益が「職務を遂行したことに対する対価としての性質を有する経済的利益であることは明らか」として、給与所得に当たるとした。

 今回の最高裁の判断で、一連のいわゆるストックオプション訴訟に一旦終止符が打たれたわけであるが、(1)もともと課税庁が10年以上にわたって「一時所得」という見解を採用し、税務署においても「一時所得」で納税するよう指導していたのに、突如として「給与所得」に見解を変更して、3年分遡ってまで更正処分をしてきたこと、(2)全く雇用関係のない外国親会社から付与されたストックオプションについての「給与所得」概念を明確にしなかったこと、の2つの点について問題を残している。

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