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これからの法改正の動き

パートタイム労働法見直しの方向性示す報告書が公表される

平成20年の改正パートタイム労働法施行から3年、厚生労働省が「今後のパートタイム労働対策に関する研究会報告書」を公表しました。この報告書では、パートタイム労働の課題と考えられる対策として、次のような項目が挙げられています。

通常の労働者との間の待遇の異同
均等待遇の確保のために、パートタイム労働者を通常の労働者と同一と判断するための3要件(職務の内容、人材活用の仕組みや運用など、契約期間)にかかわらず、合理的な理由のない不利益取扱いを禁止することを検討すべきとしています。
フルタイム有期契約労働者への適用拡大の検討、均等待遇の対象とならないパートタイム労働者の待遇改善、職務評価の実施等も提案されています。

待遇に関する納得性の向上
パートタイム労働者が説明を求めやすくする方策として、パートタイム労働指針に規定されている「待遇の決定にあたって考慮した事項の説明を求めたことを理由とする不利益取扱いの禁止」を法律に規定することなどが提案されています。

教育訓練
パートタイム労働者に対するキャリア形成のための教育訓練は、法律等で義務づけるのではなく、むしろ事業主がパートタイム労働者の活用方針についての行動計画等を作成・実施することに政策的なインセンティブを付与して誘導していくことが考えられるとしています。

通常の労働者への転換の推進
こちらも義務化ではなく、事業主自らが行動計画を作成し、そのなかで最終的に正社員へ転換するための措置を講じることを促進するアプローチが考えられるとしています。

パートタイム労働法の実効性の確保
都道府県労働局雇用均等室による勧告に従わなかった場合のその旨の公表や、過料を課す対象の拡大などの検討が考えられるとしています。
「社会保障・税一体改革」のなかで、非正規雇用者への厚生年金・健康保険制度の適用拡大も検討されています。今後の厚生労働省の動向には注目しておく必要がありそうです。

注目したい法改正の動向

◎ 「65歳定年義務づけ」は進まず
今後の高齢者雇用について、「今後の高年齢者雇用に関する研究会」は希望者全員の65歳までの雇用確保を確実に進めることが急務という方向性を打ち出しましたが、労働政策審議会雇用対策基本問題部会では、その施策としての法定定年年齢引上げについては時期尚早という労使の意見の一致がありました。
今後、継続雇用制度の対象者の限定基準をどうするかが論点となりそうです。
◎ 優秀な外国人の受入れ促進
厚生労働省は「外国人高度人材に関するポイント制」の導入について検討しています。
年収、学歴、職歴などによって設定された一定のポイントを満たした優秀な人材に対して永住許可の在留期間要件を緩和するなどの優遇措置を設け、受入れを促進するという制度ですが、内容によっては国内労働市場や社会保障制度など厚生労働分野に大きな影響が及ぶ懸念があることから、論点整理を行なったところです。
◎ 行政不服審査の見直し
内閣府の行政救済制度検討チームでは、行政不服申立制度の見直しを進めています。具体的には、国税に関する処分の取消を求めるとき、不服申立の手続きをして裁決等を経ないと裁判所に訴訟提起できないという「不服申立前置」の廃止などが検討されています。
平成23年11月を目途に改革方針をとりまとめ、行政不服審査法および関連法の改正案を早期にまとめて国会に提出したいとしています。
◎ 悪質な勧誘に対する罰則強化
宅地建物取引業法施行規則の改正によって、悪質な勧誘行為とされる禁止事項が明文化されました。それに伴い、勧誘に先立って宅地建物取引業者名、担当者名、勧誘目的を告げずに勧誘を行なった場合の標準の業務停止期間を7日間とするなど、違反行為があったときの具体的な処分基準が示されています。
◎ 供託手続きの利便性向上
法務省はシステム切替えに伴い、オンラインによる供託手続きの利便性向上を図ります。具体的には供託のオンライン申請時に電子署名や資格証明書の提示等を不要とする(払渡請求については引き続き電子署名を必要とする)などの供託規則の改正を予定しています。

出典・文責 ≫ 日本実業出版社・エヌ・ジェイ出版販売