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これからの法改正の動き

「追い出し屋」規制の新法が検討される

 少子高齢社会への対応、消費者意識の高まり、IT技術の普及・拡大など、不動産流通市場にも様々な変化が生じています。
 たとえば、賃貸不動産にかかわる主体として、委託を受けて賃貸不動産の管理業務を行なう賃貸不動産管理業者、借主の家賃債務を保証する家賃債務保証業者、家賃収納を代行する家賃代行収納業者、家主から一括借上げをした不動産を転貸するサブリース業者など、様々なタイプの業者が関与するようになってきました。
 現在、賃貸不動産管理に関連する法令としては、貸主と借主との間の賃貸借契約については借地借家法が、貸主・借主と媒介業者との間の媒介契約については宅地建物取引業法がありますが、新しいタイプの業者の不適切な行為を予防するような登録制度や法令等のルールは確立していません。
 そこで、社会資本整備審議会は不動産流通市場の問題点を洗い出し、安心して取引ができるルールづくりについての審議を重ねています。

滞納・明け渡しトラブル対策
 その一環として打ち出された方針が、家賃債務保証業者に対して新たな規制を設けることです。
 家賃の請求や家賃債務保証業者の求償権の行使にあたって、いわゆる「追い出し屋」による執拗な督促や物件への無断立ち入り、鍵の交換による借主の締め出し、無断での家財の搬出・処分といった行為が行なわれ、トラブルに発展するケースが増えています。
 悪質な行為は民事上の不法行為や刑事事件に該当する可能性がありますが、現状では適切な業界規制がないために、即効性のある対策がとりにくい状況にある、と指摘されています。
 5月12日に開かれた社会資本整備審議会民間賃貸住宅部会では、賃貸住宅の滞納・明け渡しをめぐるトラブルについて審議され、いわゆる「追い出し屋」規制について、国土交通省から3つの方向性が打ち出されました。

1 家賃債務保証業に係る法律に基づく規制(許可制)を導入
 新法を制定し、一定の要件を満たした者のみが家賃債務保証業を営むことができるようにして、問題が起こった場合にも行政処分等による迅速な対応を可能にしようというものです。

2 家賃債務保証業に係る任意の情報制度(登録制)を導入
 登録制を導入し、登録を受けている家賃債務保証業者は一定の要件を満たしていることを対外的に明らかにして、賃貸人や賃借人が業者を選択する際の目安をつくろうというものです。

3 家賃の集金や家賃債務保証に係る求償権の行使についてのガイドラインの策定
 家賃集金を目的とする夜間の訪問禁止等、遵守すべき事項をまとめ、広く周知を図ることによって、一定の行動規範として機能させようというものです。
 それぞれの方向性について、早ければ7月下旬には素案の中間とりまとめが行なわれ、年内に答申としてまとめられる予定です。
 実効性の点からいっても、違反があった場合に業務停止等の行政処分がすぐに下せるようになる「新法」の制定にまで進む可能性は小さくないでしょう。

注目したい法改正の動向

◎ FX取引規制の動き
 個人顧客を相手方とするFX取引等について、1日の為替の価格変動をカバーする水準を証拠金として確保することを基本として、「想定元本の4%以上の証拠金の預託を受けずに業者が取引を行なうこと」を禁止する内閣府令案が公表されています。
◎ 休眠特許の活用促進
 保護に加えて利用促進に重点を置いた特許法の抜本改正に向けての準備が進められています。そのなかで休眠特許をもっと利用してもらおうと、権利維持費用の減額等の“特典”が検討されています。
◎ 大学への編入基準を緩和
 文部科学省は看護師や海技士の資格取得を目的として高校の看護科、水産科などに併設されている2年制の「専攻科」についても、修了者であれば大学への3年次編入資格を認める方針を固めました。

出典・文責 ≫ 日本実業出版社・エヌ・ジェイ出版販売